
バリーデーションってご存知でしょうか。社会福祉、介護の分野のご専門の方であればご存知かもしれません。バリーションとは、米国の社会福祉の専門家が提唱し、現在、認知症の患者の方の症状(周辺症状)の緩和に効果があるとして、注目されているコミュニケーション方法です。認知症の患者さんのケアーに以前から関わらせて頂いているご縁で、春から始まった連続研修会に参加させて頂き、今回が最終回、実践的な総合研修となりました。講師は本分野の日本の第一人者である関西福祉科学大学 都村 尚子教授。
ではこども食堂とどういう関係があるのでしょうか?
このコミュニケーション方法は、認知症だけではなく、発達障害やうつ、さらには様々な事情でお困りの方に寄り添うケースにも、大変参考となる点が多々あります。「寄り添う心」、「おもいやりの心」を持つことが第一ですが、それだけでは実際の場面では、よい支援には繋がりません。如何にコミュニケーションを取っていくことが、困っている方々にとっての安心、信頼に繋がるのか、どういう言葉掛けを行っていけばよいのか、その方法論を実践形式で半年をかけて勉強させて頂きました。
うちのこども食堂にも、「最近、主人の行動、話がおかしい」と来られるご婦人や、一人暮らしをされている高齢のご老人も来られています。認知症ケアの現場(施設)や認知症の方がいらっしゃるご家庭では、「財布をとられた」、ご飯を食べたのに「たべてない」、家にいるのに「家に帰りたい」、「あそこにいつも人が立っている」、「誰かが呼んでいる」などといった言動(記憶・見当識障害、幻視、幻聴、繰り返し動作、徘徊など)をよく見聞きします。
皆さんなら、どのように返事をされますか?
「なにいっているの」、「そんなことはない」と否定。あるいは「お茶でも飲みましょう」と話をはぐらかす、、でしょうか
困ってしまいますよね、、、
そのような方をどのように支援するのか? そのような方にどのように寄り添っていくのか?
この研修を終えて、言葉掛け、接し方一つで、そのような言動が大きく軽減できることを知りました。
今後の子供食堂での活動にも活かしていきたいと思います。今後とも同研修会は開催されるとのこと、ご興味がある、あるいは身内の方などでお悩みのことがあれば、お気軽にご相談くださいませ。(私どもは、こども食堂の運営以外に、認知症ケアの支援活動を以前より勤めさせて頂いております)